日本が生んだ価値ある文化“ごまそば”を世界に発信したい。『高田屋』の執行役員が辿ってきた軌跡とミッションとは

『高田屋』を支える従業員とその家族が、この会社に入って良かったと思える環境を作りたい”と語るのは、株式会社プロスペリティ1の執行役員を務める唐沢 基伸(からさわ もとのぶ)さん。彼が飲食業界へ足を踏み入れ、現在『高田屋』の「ごまそば」と和食を世界に発信するというミッションを掲げて奮闘しているのは、彼の飲食に対する情熱があったからこそ。今回は、彼がプロスペリティ1に入るまでの軌跡と、執行役員としてのミッションを伺いました。

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実家が酪農家だったので、親に遊んでもらうために牛小屋に通っていました

プロスペリティ1執行役員
株式会社プリスペリティ1執行役員 営業本部/営業企画本部 唐沢 基伸(からさわ もとのぶ)さん
実家が酪農家で、365日休みが無い家庭だったんです。

酪農家は生き物や自然を相手にする仕事ですから、12時間おきに牛小屋に誰かいなくてはいけなかったり、とにかく片時も目が離せないんです。だから、子供の頃は旅行にも遊園地にも行ったことがなくて、暇があれば牛小屋に行って親の手伝いをしたり、その合間に読書やサッカーボールを蹴ったりして遊んでました。

田舎は長野だったんですけど、農家で育つことってマイノリティだったんです。季節的に稲作や林檎農家をする家はあったけど、専業農家の友達は周りにいませんでした。だから、劣等感を感じることもあったし、とにかく農家が嫌でしたね。

だから高校を卒業すると、実家から逃げるように関西の大学に進学しました。

90分の授業料は4,500円。それは強烈な体験でした。

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大学の教室 イメージ
大学1年生の時、その後の人生に大きく影響を与える出来事がありました。

眠気まなこを擦りながら出席した講義で、隣に座った中国人に「この授業はいくらですか?」と問われたんです。

その一言に愕然としました。ビジネスの世界では、自分はこの人たちに勝てないなって。

学費から換算すると、90分の授業料は4,500円でした。4,500円以上の価値を見つけようと思って講義を受けている大学生と、1コマ目の講義は眠いなと思っている大学生、これは歴然の差ですよね。

この強烈な体験があったからこそ、物事を定量化、数値化することの大切さに気づいたんです。それは今の自分の価値観にも繋がっています。

初任給は13万円。それでも進んだ飲食への道

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ワインの評価を書きためたノート イメージ
大学生の頃からワインバーで働いていました。ワインが大好きで、飲んだワインの味や香りなどの評価を、約20年間欠かさずに大学ノートに記し続けています。

料理を作るのも好きだったので、卒業後は飲食の道に進もうと決めていました。大学4年生の時は、タウンページに載っているようなイタリアンやフレンチを片っ端から食べ歩いて、就職先を探しました。

自分が心から美味しいと思えるフレンチレストランを見つけたんです。堪らずその店のオーナーに「ここで働きたい」と門を叩いたのですが、空きがないと言われてしまって。

そこで、弟弟子の店を紹介されたんです。そこはご夫婦で経営しているお店で、初任給は13万円しかもらえませんでした。

大学を卒業する時に奥さんと結婚していましたから、彼女にだけは迷惑かけたくないなと思ってはいたんですけど、料理は間違いなく美味しかったし、強い情熱を持ったご夫婦に惹かれて就職を決めました。

自分が作った料理でお客様が喜んでくれるのが嬉しかった

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就職してからは目まぐるしく忙しい日々を過ごしました。

レストランの中ではフランス語しか喋ってはいけないというルールがあって、朝からアイスを作ってサラダのレタスをちぎってサーモンを切って・・・全部メモをしながらやっていたら大変で。始発の電車に乗っても営業時間までに間に合わないから、原付で夜中の3時に出勤して夜の11時まで働くっていう生活を送っていました。

労働環境は過酷だったけど、勉強させていただくことは多かったです。何よりも、自分が作った料理でお客様に喜んでもらって、それでお給料がもらえるのが嬉しかったんです。

その時初めて、父親って凄いなって思いましたね。22歳になってようやく両親への感謝を感じたんです。それと同時に、自分の家族も守っていかなきゃいけないなと思いました。

もっとお客様に喜んで欲しくて、ソムリエ、シニアソムリエの資格を取得

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その次に入ったのは、フランスの小皿料理をやっているレストランでした。

前の店で働いている時に、よくランチに行っていたんですね。 当時は、お金が無かったので1,000円以上のランチには手が出せなかったんですが、自分が入った時は「1,000円のランチしか食べられない男が働きに来た」とイジられたのを覚えています(笑)。そこで6年間、サラダから製菓、加熱調理、味のベースになるブイヨンやソース作りまで順番に調理工程を覚えました。

ソムリエ、シニアソムリエを取ったのもこの頃でした。オープンキッチンのレストランだったので、カウンターに座っているお客様が好みのワインをご注文されるんですね。だけど、ぶどうの種類が分からないんですよ。「ソービニョンブラン」と言われても、それが赤なのか白なのかも分からなくて。料理が作れるだけではお客様を本当におもてなししたり、感動を与えることはできないのだと気づきました。

このままではお客様に喜んで帰っていただくことは出来ないと思って、それからワインの勉強を始めました。
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結婚して2、3年で長男が生まれて、このままでは人生設計が難しいなと考えていたんです。

なんとかお金を作らないといけないなと思い、絶対値段の崩れない高いワインを買って、そこに上乗せしてオークションで売っていました。いわゆる投資ですよね。80万円で仕入れたワインを120万で売っていたんです。

それで給料よりも稼いでいた時期があったのですが、「お金を回すということ」は自分にとって夢中になれるものではありませんでした。

他に何かないかと探していた時ですね。昔一緒に働いていた先輩から、とある飲食企業の商品開発のポストに空きがあると言われ、そこへ入れていただいたんです。

自分が出来ることを精一杯やって、出来ないことはみんなで力を出し合う

28歳で初めて一般的な企業に勤めたので、ものすごく恥をかきました。

最初は名刺交換の仕方も分からなかったし、Excelの存在も知らなかったんです。情報量が極端に偏っていたんです。今もそうですけど、興味があることはとことん勉強するけど、ないものは全く触りません。

それは、苦手なことは自分がやるより得意な人がやれば良いと思っているからです。自分の出来ることは一生懸命やるけど、出来ないことはみんなで力を出し合った方が状況が良くなっていくと思うんですね。

6年間フレンチレストランで働いていると、生産も加工も販売もプロモーションも、一通り出来るようになるんです。でもそれをずっと続けていくことって難しいじゃないですか。だから、分業して一つの何かを作り上げる仕事がしたかったんです。

全国展開する外食企業のチェーン本部で企業再生に携わる

それから36歳までその企業に勤め、商品開発から購買、販売促進、ブランディング、店舗開発、広報、営業担当など財務会計と総務人事以外の部署をジョブローテーションさせて頂き見識が深まった時期です。

会社が20億円の負債を抱え売却されるという強烈な体験もしましたが、離職者が増える中で実力とリーダーシップを発揮するチャンスがやってきたと毎日毎日楽しみながら苦しみながら課題解決にチャレンジしたことを覚えています。

無事に3年で企業再生もでき、健康寿命60年程度の現代で人生の半分終わっていることを実感しており、そろそろ自分で会社を立ち上げる時期かなと思って、2015年にイナテロワ株式会社(以下:イナテロワ)を設立しました。

イナテロワでは飲食店のコンサルティングの他に、レストラン経営、海外のブランド誘致、アパレル企業への投資、海外での事業展開など日本の国内外で企業経営と積極的な投資を行っています。

『高田屋』が主軸としている「ごまそば」+和食を世界に発信していきたい

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2017年の4月、株式会社プロスペリティ1(以下:プロスペリティ1)の最高執行責任者である守部から『高田屋』の話をいただきました。

守部とは前職の外食企業に勤め始めたころに、社会の中で働くということ、働く目的や意味、役割などを本当に情熱的にご指導いただきました。一回り年上の大先輩ですが、一番仲の良い友人でもあり尊敬するメンターでもあり、不思議な人間関係です。

『高田屋』のことも和食も蕎麦も分からないけれど、その時守部が「これが最後の仕事だ」と言っていたのを聞いて、この人と働けるのもこれで最後なのかと思った時に「自分が出来ることはやろう」と思い、提携会社という形で参画しました。

現在はプロスペリティ1の執行役員として、業務全般の見直しや改善に努めています。

『高田屋』は、日本蕎麦に黒ゴマを練りこんでいる「ごまそば」に特化したブランドです。北海道にも「ごまそば」のお店はありますが、全国にチェーン展開しているのは『高田屋』だけなんですね。

“日本一店舗数を増やす”などの拡大志向はないけれど、『高田屋』が主軸として持っている「ごまそば」「天ぷら」「卵焼き」「鴨料理」を世界中に発信していきたいと思っています。

『高田屋』を支える従業員とその家族が幸せになってほしい

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執行役員のミッションを語る唐沢さん
執行役員としてのミッションとしては、『高田屋』のブランドを磨いていく他に、『高田屋』で働く従業員やそのご家族に幸せになってもらいたいというのがあります。

私が家族を大阪に置いて単身赴任している理由は、23年の『高田屋』の歴史の中で、長く働いている従業員がいるからです。

そんな、『高田屋』を支えてくれている従業員やご家族が、この会社に入って良かったと思える環境を作っていかなければならないと思っています。しかも、それが一番、自分が楽しいと思えることであって、家族もそんな自分を応援してくれています。

飲食店が社会に存在する意義は、お客様に元気を与えることだと思っています。職能やスキルは入ってから磨けばいいです。明るく元気で素直な方であれば大歓迎です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ぜひ一緒に、日本が生んだ価値ある文化を世界に発信していきませんか?

少しでも気になったら、
ぜひ一度お店・会社に遊びに来てください

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