料理とは、自分の気持ちを相手に伝える表現方法です。『CENTO ANNI』の総料理長が語る熱い想いとは

「自分にとって料理とは、“ありがとう”や“お疲れ様”などの気持ちを相手に伝える表現方法である」と語るのは、株式会社ハルズプランニングの取締役であり総料理長であり、マネジングディレクターである小幡 大介(おばた だいすけ)さん。今回は、そんな彼に、料理人を志したきっかけや、ホテルから街場のレストランへ異動した理由、料理に対する想いを伺いました。

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小さい頃から「人に料理を振舞うこと」に喜びを感じていました

ハルズプランニング総料理長
株式会社ハルズプランニング 取締役 総料理長 マネジングディレクター 小幡 大介さん
片親だったこともあり、小さい頃は親が仕事を終えて帰宅するのが22時頃だったんです。だから、小さい頃から料理は作っていました。冷蔵庫にあるもので、チャーハンだったりパスタだったり、簡単なものですけどね。

高校生になると、通っていた高校の近くに実家があったので、よく友達を呼んでは料理を振る舞っていました。友達が自分の作った料理を食べて、「美味しいね」とか「明日はこんなものが食べたい」なんて言って喜んでくれると素直に嬉しかったんです。

その頃からですね、将来は料理人になりたいなと思ったのは。

親の反対を押し切り、調理師専門学校へ

高校も卒業間近、親は大学に進学させるつもりだったんですけど、やっぱり自分は料理がやりたくて。初めて親の意見を聞かずに、調理師専門学校へ進みました。

一年間は西洋料理を勉強して、後の一年間は製菓の勉強をしました。洋食のコースを選んだ理由は、単純にパスタが好きだったからです。

がむしゃらに走り続けた、約10年間のホテル時代

その後、学校の先生にすすめられ、新卒でホテルに入社しました。

そこから約10年間ホテルで働いていたのですが、最初の頃は厳しくて、毎日辞めたいと思っていました。だけど、親の意見を聞かずに料理の道へ進んだ手前、すぐに辞めるわけにはいかなかったんです。そんな中、最低1年間は続けると決めて、歯を食いしばって出勤していたのを覚えています。

仕事に没頭しているうちに尊敬する先輩が出来て、「3年後にその先輩みたいになっていたいな」と思えたことで、その後3年間も無我夢中で働きました。

そんな風にがむしゃらに頑張っていたら、慕ってくれる後輩が出来て、4年目ぐらいからは仕事を楽しいと思えるようになったんです。

しかし10年も同じ場所にいると、いつの間にか仕事が「慣れごと」になってきているのを感じていました。それがちょうど30歳の時でした。

自分の料理を食べているお客さんの顔が見たかった

チェントアンニ料理長小幡さん
それまで、ただひたすら突っ走ってきたのですが、それまでの道のりを振り返ってみると「自分が本当にやりたいことをやっていたのだろうか」という一つの疑問が浮かんだのです。

思えば、10年間料理を作り続けてきて、自分の料理を食べているお客さんの姿をほとんど見たことがありませんでした。ホテルはキッチンとホールが区切られているので、お客さんがどんな顔をして自分の作ったパスタを食べているのか分からないんです。

ただひたすらストーブの前に向かって多い時は300食のパスタをあおり続ける、これをやりがいに感じる人ももちろんいますが、原点に立ち返った時に、自分のやりたいこととは違うことに気づきました。もともとは、自分の料理を食べて喜んでくれる友達の姿を見るのが嬉しくて、それを仕事にしたかったわけですから。

それで、30歳の節目にホテルを退職し、「街場」と呼ばれるいわゆる一般的なレストランへの就職を決めました。

ハルズプランニングのアットホームな雰囲気が好きです

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『CENTO ANNI 銀座』内観
株式会社ハルズプランニングに入社したきっかけは、池尻大橋にあったイタリアンレストラン『BELLA FIGLIA(ベラフィリア)』のオープニングスタッフ募集のページをたまたま目にしたからです。

小さいお店が良かったのと、新店舗を立ち上げていく経験が欲しかったんですね。

しかし、自分が面接に行った時にはオープニングスタッフが既に決まっていて、銀座にあった『CENTO ANNI(チェント アンニ) 銀座店』に配属されました。

『CENTO ANNI 銀座店』は、銀座にありながら気取らない雰囲気で、カウンターに常連さんも来てくださるアットホームなお店だったので、すぐに気に入りました。

お客さんの「こんなものが食べたい」を再現するのが自分の役目

ハルズプランニング総料理長小幡
スパゲッティをあおる小幡さん
それから月日が経ち、現在はハルズプランニングの取締役として、渋谷にある『CENTO ANNI』と『FIGL di(フィリ ディ) CENTO ANNI』の総料理長兼、マネジングディレクターを努めています。

『CENTO ANNI』の良さと言えば、渋谷という土地にありながら、年齢層が40〜60代と高く、アットホームなところですね。

ハルズプランニングは、自分たちで売上を上げて経費をコントロールしていけるのであれば、仕入れもメニュー開発もある程度自由にやらせてくれる会社です。

自分には「スペシャリテ」という、いわゆる得意な料理はなくて、物凄いこだわりもありません。お客さんが「こんなものが食べたい」といえば、自分の持っている食材と知識と技術でそれを再現することには長けていると思います。

初めて知ったシチリアの味「手打ちのブジアーテ」

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「手打ちのブジアーテ」
「手打ちのブジアーテ」は、ハルズプランニングに入社して初めて覚えたパスタです。

『CENTO ANNI』はシチリア料理の専門店なので、入社した当初はシチリア料理を覚えるところから始まりました。イタリア南部に浮かぶシチリア島では、太陽の光をたっぷり浴びて育ったオレンジや魚介類を使った料理が多いのが特徴で、見たことのない形のパスタにも出会えます。

「ブジアーテ」はシチリアのトラパニ地方の手打ちパスタで、生地を竹串などにクルクルと巻き付けてねじれた形に仕上げます。柔らかくも弾力のある食感としっかりとした小麦の味が、一度食べたら忘れられないパスタです。

トラパニペーストという、ニンニク、バジル、アーモンド、トマトで作るペーストと合わせると、味がよく絡んで最高です。これはお店のグランドメニューに常に載せている唯一の生パスタです。

シンプルだけど抜群の旨味を味わえる「アサリのスパゲッティ」

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「アサリのスパゲッティ」
シンプルな「アサリのスパゲッティ」ですが、ホテル時代のシェフに教わった究極のスパゲッティです。

こだわりのポイントは、アサリの身を潰すことです。そうすることによって、アサリから出た出汁がソースにしっかり浸透して、格段に旨味がアップするんです。

もちろん潰されたアサリはプックラしていてジューシーではなくなりますが、「アサリのスパゲッティ」の主役はスパゲッティです。これは、しじみの味噌汁と同じ原理ですね。味噌汁に入っているしじみも、シナっとしていて、メインで食べるものではありませんよね。

「料理」とは「会話」です

ハルズプランニング総料理長
『CENTO ANNI』スタッフがまかないを食べる風景
自分にとって、「料理」とは「会話」です。

自分が何かを相手に伝えるための表現方法だったりします。スタッフに作る“まかない”だったり、家族に振る舞う料理だったり、相手に対する感謝の気持ちやお疲れ様の気持ちを、料理に込めて表現しています。

それはお客さんに対しても同様で、いつもスパゲッティに辛いオイルをかけて食べる方だったら、次に来店していただいた時には初めから辛めに作ってあげるとか、料理を通してもお客さんとコミュニケーションを図るようにしています。

目の前のお客さんを喜ばせるためのアイデアに「絶対ダメ」はありません

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ハルズプランニングは、自分がやりたいと思ったことは任せてもらえる会社です。

頑張った分しっかり評価してもらえるし、頑張り次第では早い段階でシェフになることも出来ます。シェフ候補として入社した方には、ハルズプランニングに新しい風を吹かせてほしいです。

目の前のお客さんを喜ばせるためのアイデアに「絶対ダメ」はありません。私たちと一緒に、会社をもっと成長させていきませんか?

少しでも気になったら、
ぜひ一度お店・会社に遊びに来てください

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